マルクスの利子生み資本論(全4巻)第3巻 信用制度下の利子生み資本(上) 大谷禎之介著
『資本論』第1部刊行150年 マルクス生誕200年を前に
『資本論』の最難所をマルクス草稿(第3部エンゲルス版第21〜36章に使われた草稿全文)の精緻な解析で読み切る。
学界に刺激を与え続けてきた、20年にわたる著者の緻密で総合的な考証的論究の集大成!
- A5判/上製/628頁
- ISBN978-4-905261-31-5
- 本体8200円+税
- 初刷:2016年6月10日
第3巻では
目次
第3篇 信用制度下の利子生み資本
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第8章 エンゲルス版第28章使われたマルクス草稿について
- 第28章の草稿、それとエンゲルス版との相違
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第9章 エンゲルス版第29章に使われたマルクス草稿について
- 第29章の草稿、それとエンゲルス版との相違
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第10章 エンゲルス版第30〜32章に使われたマルクス草稿について
- 第30〜32章の草稿、それとエンゲルス版との相違
- 補章6 マルクスはmonied capitalという語をどこからとったのか
著者
大谷禎之介(おおたに・ていのすけ)
1934年,東京都に生まれる。
1957年,立教大学経済学部卒業,大学院経済学研究科に進む。
1962年,東洋大学経済学部助手。同専任講師,助教授を経て,
1974年から,法政大学経済学部教授。経済学博士(立教大学)。
1992年から,国際マルクス=エンゲルス財団編集委員。
1998年-2015年,同財団日本MEGA編集委員会代表。
2005年から,法政大学名誉教授。
- マルクス『資本論草稿集』全9巻,(大月書店(共訳),1978〜1994年)
- マルクス『資本論の流通過程』(大月書店(共訳),1982年)
- 『ソ連の「社会主義」とは何だったのか』(大月書店(共編著),1996年)
- チャトバディアイ『ソ連国家資本主義論』(大月書店(共訳),1999年)
- 『図解 社会経済学:資本主義とはどのような社会システムか』(桜井書店,2001年)
- 『マルクスに拠ってマルクスを編む』(大月書店,2003年)
- 『21世紀とマルクス』(桜井書店(編著),2007年)
- MEGAAII/11:Manuskripte zum zweiten Buch des "Kapitals" 1868 bis 1881.((共編)Akademie-Verlag,2008年)
- モスト原著,マルクス改訂『マルクス自身の手による資本論入門』(大月書店(編訳),2009年)
- マルクスのアソシエーション論:未来社会は資本主義のなかに見えている(桜井書店,2011年)
- 『マルクス抜粋ノートからマルクスを読む』(桜井書店(共編著),2013年)
- 『マルクスの利子生み資本論』』全4巻,桜井書店,2016年
- A Guide to Marxian Political Economy: What Kind of a Social System Is Capitalism, Springer International Publishing AG, 2016
- 資本論草稿にマルクスの苦闘を読む,桜井書店,2018年
信用制度のもとでの利子生み資本の具体的な形態は、実物資本(産業資本および商業資本)の手から銀行のもとに集中した貸付可能な貨幣資本である。第3部エンゲルス版第28〜32章に使われた草稿部分を取り扱うこの巻では、銀行のもとにある貨幣資本を構成するのは貨幣請求権であり、「架空資本」であることを明らかにしたうえで、この貨幣資本の蓄積が実物資本の蓄積から自立化しながら、結局、実物資本の運動に引き戻される過程を解明する。